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【 ギャラリー 】


WALL.・E (ウォーリー) 】について
製作者 TOM

 この映画を映画館で観たとき、恥ずかしながらチョッとホロリとしてしまうほど感動を受けました。
 その時から是非、自分の作品としても手がけてみたいと考えておりました。
 製作を始めてから原型を全て仕上げるのに半年以上もかかってしまいましたが、
 これほど造っていて楽しい作品もありませんでした。
 楽しいというより(私にとって)造り甲斐があるキャラクターなのでしょうね。
 それでは作品の紹介を。

 写真1.素体はトイザラスオリジナルフィギュア『 U−REPAIR WALL・E 』です。
  差替えでキューブ状にもなるギミック付です。
 写真2.まず、頭部を解体して目をくり抜きました。そこにはめる内部カメラとレンズを製作。
 写真3.更に頭部を解体、実際の形状になるべく合わせてくり抜いたりパテにて造形と配線を製作。
 写真4.首の形状はこのフィギュアの中で一番変更されている部分でした。
  ナイフで間接部分の削りだしとパテにてモールドの追加製作です。
 写真5.最初にぶつかった第一関門、腕の伸縮ギミックは一番頭を悩ませた部分です。
  太さの違う2種のプラパイプにプラ版と組み合わせ、 更にそれを埋め込むために腕の内部を
  ルーターで削り込んでいます。
  勿論、腕をいっぱいに伸ばしてもすっぽ抜けないよう造形も気を配りました。
  そして、手首にはあらゆる角度に曲げられるように3重間接をはめ込みました。
  写真ではまだ行なっておりませんが指も半分に切り分け、独立して可動するように施しました。
  仕上げてみるまで実現できるか分からなかった第一関門これでクリアです。
 写真6.股関節です。ある意味、一番手に負えない部分でした。ホントは間接を全部可動化していろんな
  ポーズを出来るようにもしたかったのですが、脱着ギミックを活かせなくなってしまうのとポーズの
  安定性が著しく悪くなるので差し支えない程度の形状変更で済ませました。
 写真7.車輪は強度維持のため必要以上に余計な余白があるので、その部分を可能な限り切除。
 写真8.商品の正面扉の蝶番(ちょうつがい)は完全に間違った構造ですね。 
  これではゴミをすくっても段差で本体に入らないデザインです。 チリトリのようにスムーズにゴミを
  救えるように本来のデザインに近づけるため、一旦扉全体を解体。 ピンバイスで扉側と本体側に
  蝶番用の穴を作り、ステンレス線を通し扉を取り付けました。
  形状を大きく変更したために出来てしまった隙間をプラ版とパテ埋めにて一体感を取り戻します。
 写真9.背面、赤いアクチュレーターがオシャレです。 それをより立体感出したく思いついた方法は
  アクチュレーターを加工するのではなく、その周りを厚みを加える加工をして凹凸を強調し、
  活かす方法に辿り着きました。
 写真10.第二関門到来です。 どうしても実現したいアイスBOXを引っ掛けるハンガー製作。
  劇中ではこのハンガーは二つ折の状態でボディに収納されています。 ・・・再現無理です。
  ここで到達した案は、結果映画場面のような状態でハンガーが引き出されていれば、それまでの
  可動工程は良いではないか、という考え方。
  それまで様々な、そしてとても複雑な可動ギミックを考案しておりました。
  腕の伸縮の時もそうですが、こういう可動ギミックを考慮する場合、なるべく単純な方向性を選ぶように
  しております。 造形作業の手間もありますが、やはり耐久性と仕上がりの美しさを犠牲にするのは
  避けなければいけないものだと思っています。 幸い、ギミックに必要なスペースが背面内部に
  ギリギリで確保出来たので、ハンガーは単純にボディからスライド方式で飛び出すようにしました。
  それでも収納時と活用時のハンガーやその周辺のデザインは映画どおりに収まりました。
  また、ハンガーは引き出すとロックが掛かりアイスBOXを取り付けてもグラつかないようにしたのと
  同時に、引き出された時のハンガーの穴はプラ版でふさがれるようにしました。
  内部の可動ギミックはボディ正面の扉を開けたとき、丸見えになってしまうので後に仕切り板を
  はめ込み、ギミックが丸見えにならないよう、手を加えました。
 写真11〜12.外面、白い部分が手を加えた部分です。
 写真13〜14.アイスBOX作成です。およそ30枚くらいのプラ版を組み合わせて形を作りパテ埋めにて
  仕上げております。 開閉可能なのとフタを閉めたときかるくロックが掛かるようになってます。
  実はこのBOXの設計、めんどくさがって殆ど目算でサイズを計りプラ版を切り出しいしています。
  適当にやっても何とかなるもんですね。  ・・・すみません、性格がいいかげんなんです。
 写真15.劇中で観せた基盤収納フォルダーを作成。
  ここのパネルは幸いにも外せるようになっていたので、上手くそれを利用しました。
  とはいえ、カセットテープフォルダーみたいな可動方法だといろんな部分で干渉してしまうので一旦、
  パネルは前へ飛び出した後、パネルが傾いて劇中のような開き方になるよう2重可動ギミックを
  埋め込みました。 基盤は取り出せるようになっております。
 写真16.劇中、キーポイントとなるブーツに入った植物です。ブーツはパテで作りました。
  植物はヒラヒラビニール付の針金を加工したものです。よくビニール袋の口を縛っておくアレです。
 写真17.犬の首振り人形((首はふりません)とアヒルの人形です。
  植物と一緒にウォーリーがガラクタから拾い集めた物で全てアイスBOXに収納します。
 写真18〜19.ボディ外面をルーターでダメージ加工しました。
  必要以上にボコボコにしたように見えますが、後で塗装した時、このボコボコ感が良い具合にサビを
  表現してくれるだろうと信じておりました。
 写真20〜22.ボディの塗装完成です。 この作品はボディに限らず、全てにおいて筆塗りになります。
  綺麗な塗装と違い、4〜6層の色の塗り重ねでダメージ塗装を表現していますので手間が掛かります。
  また、なるべく忠実に見えるよう、何度も資料や映画と照らし合わせました。
  それでも確認出来ない所や、あえて強調したい部分などもあるのでそれっぽく観えればOKとします。
 写真23.ハンガーが飛び出した所です。思っていた以上にスムーズに可動する姿に私も感動です。
 写真24.基盤パネル、前面扉を開いた状態です。 キューブ時のダミー両腕は差込式になっています。
  またこのダミー両腕と、上部の頭部取り付け穴を隠しているダミー頭部板は変形後のロボット時には、
  お腹の中に収納出来るようにギミック仕込み済みです。
  実際これは余計な設計なのですが、完全変形出来ないのなら、せめて部品が散らからないように
  しておきたかったささやかなこだわりです。
 写真25〜26.両足の塗装完成です。モールドと車輪との噛合せを見直し一部造形のやり直し。
  また、単純な色合いなだけにサビの表現で一番難しい部分でもあったので必要以上にコントラストを
  つけてみました。 ここの塗装は何度も何度もやり直ししています。 いささか気が滅入りました。
 写真27.両足に車輪を取り付けました。 一番大きな車輪は歯車がモールドだけで表現されていたので
  歯をひとつひとつナイフで削りだしました。この根気の要る作業に加え、車輪の塗装には何度もリテイク
  しております。 塗装のやり直しで時間を潰しましたが一先ず納得のラインを超えたので一安心。
  汚し塗装は本物っぽく見せるのにはホントに苦労します。 ここの塗装も何度も調整しております。
 写真28〜29.ギミック最大の関門、両腕の完成です。 腕の中に伸縮ギミックを埋め込み腕のパーツを
  張り合わせます。 但し、伸縮ギミックに接着剤が少しでも被ると腕ギミックの製作を全部やり直しと
  なるのでかなり繊細な作業の連続となります。 また、1mm.程の接着面では強度に不安を残すので、
  腕に接着後、更に接着面の上から接着剤を付け足しておきます。
  後に、接着剤で荒れた表面をサンドペーパーで慎重に面一に慣らし、合わせ目の処理を完成させます。 
  次に塗装。 【写真20】以降に観られるダミー腕はボディ同様、実際のサビ具合、汚れ具合になるべく
  忠実に塗装を施してあるので今回はそのダミー腕に合わせて塗装を行ないます。
  まず、ベースとなる黄色を何層にも分けでグラデーション塗装を施します。 
  白と黒のストライプを綺麗に塗った後、その部分に汚し作業を行ないます。 当然ながら汚し塗装は常に
  初めからは行ないません。 ただし、汚し方法は常に違います。 ストライプの白い部分は、自分の指に
  鉛筆の芯を擦り付け、その指でなぞります。 黒い部分は今回、変わった方法で、タバコの灰を擦り付け
  古びた感を出しました。 後はナイフで傷を一つずつ丁寧にダミー腕と同じ模様になるよう施します。
  次に腕のサビを塗装します。 ドライブラシの要領で少しずつ点描画の様に軽く押し当てていきます。
  意外と計算した塗り方にせず、一先ず適当に行ないました。 その方がかえって良い味が出たりします。
  後に資料を基にナイフで余計な部分を削ったり、書き足したりして調整します。
  更に汚れ、塗装禿げを塗り足し、伸縮ギミックの部分も塗り終えたらツヤ消しクリアーのスプレーを噴いて
  塗装全面を馴染ませます。 
  最後の掌はまたとんでもない加工を試みました。
  素体はプラではなく、ソフビなのでわりと柔らかいです。 それでは塗装しても後からヒビ割れたり、
  禿げてしまうので、そうならないよう対処します。 まず、掌の表面全体をサンドペーパーをかけて
  一旦荒らします。 その後、表面全体に瞬着を楊枝を使って塗るとプラスチックのように硬質になります。
  瞬着でボコボコに荒れた表面を更にサンドペーパーで丁寧に慣らし表面を整えます。
  モールドも足りないのでナイフで削ったりパテを盛ったりして完了。 良い感じの硬い掌の完成です。
  それを間接ギミック付の手首と組み合わせ、これまた何層にも塗り分けて汚し塗装を完成させ腕と合体。
  ボディに取り付けて完成。  ( ・・・長い作業と解説でした)
 写真25〜26.胸の中に収納されている基板ギミックです。
  上記【写真15】で製作方法は説明しておりますので、補足のみ解説します。
  基板、ホルダーそれぞれ計3本のコードを付け足しております。 ちなみに基板の横幅は1,3cm。
  コードは電気製品の本物のフレキシブルコードを使用しております。 劇中に観られた本来の色に塗装を
  したかったのですが、取出しギミックを重視するにはこの素体を使用するのがベストと判断し、その結果、
  塗装断念するしかありませんでした。 基板の表裏を劇中の壊されていない時の物と想定し塗装。
  基板を取出すと真ん中のコードが引っ張りあげられるよう接続しました。
  この遊び心でウォーリーがよりメカっぽく観えるようなら成功ですね。 (めちゃめちゃ細かすぎるわ)
 写真32〜33.頭部の完成です。 
  昔、「人形は顔が命です」なんてCMがありましたが素晴らしい表現と今でも思っています。
  首は先にかなりの部分で造形を変更してましたが、更に首元や頭の後ろにモールドがあるのを確認。
  モールド追加作業のため、資料とのにらめっこが何度と無く繰り返されました。
  また、今まで以上に塗装に念を入れました。 部分的に多い所で7〜8層の重ね塗りを施しております。
  勿論これまで同様、 全て筆塗りです。ボロボロ塗装は綺麗に塗るより手間がかかりますが、
  やはり面白かったです。 子供の頃に初めてオモチャをカスタムしたのもそういう塗装方法でした。
  私は根っからボロボロ塗装が好きなんだと自覚しました。
 写真34〜35.ウォーリー本体の完成です。 まだ、キャタピラ付けてないですけど・・・。
  全体的な色合い、サビ具合などのバランスも考慮しながら何とかここまでたどり着きました。
  
 【 ギャラリー 】 (完成!)
 無事アイスBOXや小物とキャタピラの塗装も終了し、めでたく完成となりました。
 ちなみに、アイスBOXの朱色の部分の塗装は筆塗りではどうしても気に入った仕上がりに至らず、
 どうしたものかと考えた挙句、じかに指でグラデーション塗装を施しました。 これが意外と良い雰囲気!
 資料を何度も見ながら傷や汚れ等を加え、ツヤなしクリアーのスプレーを吹き付けてBOXは完成。
 中に入る小物も古びた感じに塗装を施し全ての作業が終了です。
 
 製作期間一年と永い時間を掛けたその内容では、
 カスタムとしての改造手法、エポパテによる造形技術、プラ版による製作技術、ギミックの組み込み、
 特に様々な塗装方法による表現の技術など、どれもが今までの作品の中で郡を抜いて高い壁でした。
 この作品は私にとって技術的に現時点での集大成となりました。
 
 (あとがき)
 この作品は、結構アクション性が売りとなりますので、最後にギャラリー(展示会)と称してみて、
 ちょっとしたシーンやそれっぽい角度を選んで写真撮影をしてみました。
 このページに掲載されている写真はこれまではコンパクトデジカメで撮影しておりましたが
 今回のギャラリー写真は一眼レフで撮影してますので、これまでより一層リアルな雰囲気を感じ取って頂き
 映画のシーンを思い出して頂ければ幸いです。 まだ観てない方は是非映画もご覧くださいませ。
 “ウォーリー”は地球で700年間一人ぼっちで、人間の残したゴミをひたすら片付け続け、ようやく出会った
 イヴと言うロボットに恋をし、ただ手を繋いで触れ合いたいと思う一心で、連れ去られたイヴを追いかける
 ウォーリーの一途で純真な姿を、この作品で少しでも表現出来ていれば幸いです。